不動明王を本尊とする寺院は多くありますが、「関東三大不動」と呼ばれる寺院について、紹介したいと思います。

(成田山新勝寺)
関東三大不動とは
「不動明王」を本尊または本尊格として祀る関東地方の霊場の中で、特に霊験あらたかとされる三寺を総称して「関東三大不動」と呼びます。
公式な定義はなく、三番目の寺院については諸説ありますが、確定的とされるのは成田山新勝寺と高幡山明王院金剛寺(高幡不動)。
残る一寺については、歴史・信仰・地域性において高い評価を受ける三つの候補があります。
成田山 新勝寺(千葉県成田市)
真言宗智山派の大本山で、940年(天慶3年)に平将門の乱平定を祈願して創建。
弘法大師作と伝わる不動明王像を本尊とし、全国から年間1,000万人以上が参拝に訪れます。
総門、仁王門、三重塔、平和大塔など荘厳な伽藍が立ち並び、広大な成田山公園は四季折々の景色が楽しめます。
護摩祈祷の迫力は圧巻で、心願成就・厄除開運を求める人々に篤く信仰されています。
関東三十六不動霊場36番札所になっています。
高幡山明王院 金剛寺(東京都日野市)

真言宗智山派の別格本山で、平安時代初期創建。
本尊の木造不動明王坐像は国の重要文化財で、室町時代建立の不動堂や朱塗りの五重塔など見どころ多数。
四国八十八ヶ所巡拝路や初夏のあじさいまつりも有名です。
交通安全、厄除開運の祈願所として広く知られ、関東三十六不動霊場9番札所にも数えられます。
三番目の候補とされる三寺
雨降山 大山寺(神奈川県伊勢原市)

天平勝宝7年(755年)、良弁僧正によって開かれたと伝えられる真言宗大覚寺派の古刹。
大山ケーブルカーで参拝が可能で、紅葉の名所としても全国的に有名です。
本尊は鉄造不動明王坐像で、厄除け・家内安全・商売繁盛のご利益があるとされます。
山岳信仰の中心地として、古来より「大山詣り」で多くの庶民に親しまれてきました。
関東三十六不動霊場1番札所に数えられています。
不動ヶ岡不動尊 總願寺(埼玉県加須市)

奈良時代の創建と伝わる真言宗智山派の寺院で、関東最古級の不動明王を本尊としています。
江戸時代には徳川家からも篤い保護を受け、庶民の信仰を集めてきました。
商売繁盛、厄除け、家内安全の祈願所として広く知られ、関東三十六不動霊場30番札所に数えられ、初詣や節分会には数万人が参拝します。
高山不動尊 常楽院(埼玉県飯能市)
奥武蔵の山中にある古刹で、伝承では白雉5年(654年)創建とされることもあります。
平地の大寺院とは趣が異なり、山中にたたずむ山岳霊場としての風格と、県指定・国指定の文化財を擁します。